2020年02月17日
研修体験記 in Japan
キトーのグループ会社の一つで、アメリカ最大級のチェーンメーカーであるピアレス社から2人の社員が来日。その目的とは?
製造全体を統括するライアン・コワルスキーさん(右)と品質管理のエキスパートであるデビッド・ホーズさん。キトーの制服がとてもお似合いです!
今回の来日の目的は、山梨本社工場で生産している世界最高級グレード100のホイスト用チェーンをピアレスでもつくるための研修。キトーグループ全体にとっても大きな挑戦です。日本の生産現場は発見の連続!エンジニアたちから学んだ全てが大切な財産です。アメリカに持ち帰り、しっかりと生かします。
食堂でのひとコマ。この日はラーメンを選びました。お箸の使い方もなかなかでしょ?メニューが豊富でランチタイムは毎日の楽しみでした。食事はおいしいし、空気はきれい。すっかり山梨が大好きになりました!
この研修で得られたもう一つの大事な成果は、日本のメンバーと強い信頼関係を築いたことです。メールのやり取りだけでは絶対に成しえなかったことでしょう。文化や考え方の違いはあっても、同じゴールを目指す仲間。両社の相互的な技術交流を強化することで、キトーグループのものづくりをさらに進化させていきます。
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手動製品は僕たちにお任せあれ!
手動製品班の班長・深澤直輝さんと、後輩の田川央登さん。「ものづくりの現場はチームワークが欠かせない。メンバー同士が話しやすい雰囲気をつくることが大事です」と深澤班長がにこやかに語ってくれました。
2019年10月01日
「品質は誠実さや勤勉さから」
「品質はものづくりに携わる人の、誠実さや勤勉さから生まれる」。そう語るのは品質保証本部長の譲原 経男(ゆずりはら つねお)さん。キトーが最も大切にしている品質の最高責任者です。 「キトーはこれまで86年にわたり、世界に誇る日本のものづくりの一端を担い、品質にこだわったものづくりを手がけてきました。創業者の鬼頭美代志は、根っからの職人気質。人が苦労しているところを解決したいという思いのほかに、もっと使い勝手をよくしたい、小型・軽量化を実現したいといった、製品のあるべき姿を常に探求する姿勢を忘れませんでした。妥協しない製品評価を実施し、納得するまで改良を重ねて、キトー製品は市場で評価されてきました。それが今のキトーの品質の礎、土台になっているのは間違いありません」。 「製品に高い負荷を与えて、性能の限界まで耐久性に対する評価を実施します。それはキトー品質を担保するために行うものですが、同時に「お客様に安心して安全にキトー製品をお使いいただきたい」という願いも込められています。またキトーには、売上や利益を優先せず、お客様の声を聞いて、受け入れて、応えようとする姿勢があります。お客様がキトーのこうした姿勢を評価し、キトー製品に信頼を寄せてくださっているのです」。 「品質を担保する仕組みを、ものづくりの工程のなかに作ることも重要です。生産の仕組みとして、品質不良が出ないよう、生産技術部門が考え、研究し、工夫しています。でもやはり根底にあるのは「人」。品質はものづくりに携わる人の、誠実さや勤勉さから生まれるのだと思います。品質には作り手の心が表れると信じている人が工程設計をし、製品を組み立て、検査をすれば、おのずと一人ひとりの品質への思いや行動は変わってきます。キトーグループの誰もがキトー品質への共通理解を深めることで、キトークオリティで保証された製品やサービスを、グローバルに提供することができます」。 品質保証本部長 譲原 経男
2019年07月23日
「より良いものを求めて、一歩ずつ」
キトーでは製品の重要保安部品のほとんどを内製し、世界最高レベルの品質を担保しています。なかでも重要なのがチェーンです。時には想像を絶するほど重たい荷を持ち上げる私たちの製品。重量物を吊り上げるチェーンは、まさに安全な作業を守る生命線です。今回は、チェーン技術グループの土橋輝彰(どばしてるあき)さんに、キトーのチェーン研究にかける思いをうかがいました。 メーカーの使命とは、「より良いもの」を追求し、お客様にお届けすることです。その源流に位置する研究開発、品質へのこだわりは人一倍です。 「キトーのチェーン製造で特徴的なのは、強度を高めるため、製品の特性に合わせて、高周波熱処理と浸炭熱処理の2つの方法を使い分けていることです。モーターの力を利用した電気チェーンブロックは、手動製品よりもチェーンの巻き上げ下げの速度が速くなります。そのことから、耐摩耗性を高めることが重要です。一方で、手動製品に使われるチェーンは、強度に加えて粘り強い、しなやかさも必要となります。適切な熱処理を施すことで、それぞれの使用シーンにとって最適なチェーンをお届けしています。」 「キトーのチェーンは世界最高レベルの強度を誇ります。今のチェーンの品質は、過去の試行錯誤の結果に他なりません。例えば、グローバルで使用可能な材料にすることで、結果としてより安定的に優れた品質で生産できるようになりました。私たちが起こしている「変革」は、確かに些細な変化に思えるかもしれません。それでも、どんな挑戦も小さな一歩からスタートすると思っています。」 そんな土橋さんの大切な相棒は、トイプードルのモカくん。キトーの強靭なチェーンと同じくらい、強いきずなで結ばれています。 「初めてうちにやってきたときは、まだ小さな子犬だったモカ。よちよち歩きで、名前を呼んでも知らんぷりでした。でも、信頼関係ができてくるにつれて、名前を呼ぶと反応してくれるようになりました。今では、すっかり家族の一員です。食べ物も家族と同じものが食べたいようで、苦手なものでも人間が食べていると食べたがります。実はもともと猫派だったのですが、犬の素直な感情表現と人懐っこさに毎日癒されています。」 最後に、土橋さんのこれからのビジョンをうかがいました。 「より安全で使いやすい製品を国内外の市場に提供することが目標です。チェーンのグレードを上げることで、同じ重量の荷を吊り上げる際により軽いチェーンを使うことができ、最終的にはホイストの小型軽量化にもつながります。キトーが85年以上に渡って追求してきたテーマに貢献できるということは、まさに研究者冥利に尽きます。いつか、キトーのものづくりの歴史に名を残すような製品の開発に携わりたいと思っています。」
2018年12月21日