Dec. 21.2018
「より良いものを求めて、一歩ずつ」
キトーでは製品の重要保安部品のほとんどを内製し、世界最高レベルの品質を担保しています。なかでも重要なのがチェーンです。時には想像を絶するほど重たい荷を持ち上げる私たちの製品。重量物を吊り上げるチェーンは、まさに安全な作業を守る生命線です。今回は、チェーン技術グループの土橋輝彰(どばしてるあき)さんに、キトーのチェーン研究にかける思いをうかがいました。
メーカーの使命とは、「より良いもの」を追求し、お客様にお届けすることです。その源流に位置する研究開発、品質へのこだわりは人一倍です。
「キトーのチェーン製造で特徴的なのは、強度を高めるため、製品の特性に合わせて、高周波熱処理と浸炭熱処理の2つの方法を使い分けていることです。モーターの力を利用した電気チェーンブロックは、手動製品よりもチェーンの巻き上げ下げの速度が速くなります。そのことから、耐摩耗性を高めることが重要です。一方で、手動製品に使われるチェーンは、強度に加えて粘り強い、しなやかさも必要となります。適切な熱処理を施すことで、それぞれの使用シーンにとって最適なチェーンをお届けしています。」
「キトーのチェーンは世界最高レベルの強度を誇ります。今のチェーンの品質は、過去の試行錯誤の結果に他なりません。例えば、グローバルで使用可能な材料にすることで、結果としてより安定的に優れた品質で生産できるようになりました。私たちが起こしている「変革」は、確かに些細な変化に思えるかもしれません。それでも、どんな挑戦も小さな一歩からスタートすると思っています。」
そんな土橋さんの大切な相棒は、トイプードルのモカくん。キトーの強靭なチェーンと同じくらい、強いきずなで結ばれています。
「初めてうちにやってきたときは、まだ小さな子犬だったモカ。よちよち歩きで、名前を呼んでも知らんぷりでした。でも、信頼関係ができてくるにつれて、名前を呼ぶと反応してくれるようになりました。今では、すっかり家族の一員です。食べ物も家族と同じものが食べたいようで、苦手なものでも人間が食べていると食べたがります。実はもともと猫派だったのですが、犬の素直な感情表現と人懐っこさに毎日癒されています。」
最後に、土橋さんのこれからのビジョンをうかがいました。
「より安全で使いやすい製品を国内外の市場に提供することが目標です。チェーンのグレードを上げることで、同じ重量の荷を吊り上げる際により軽いチェーンを使うことができ、最終的にはホイストの小型軽量化にもつながります。キトーが85年以上に渡って追求してきたテーマに貢献できるということは、まさに研究者冥利に尽きます。いつか、キトーのものづくりの歴史に名を残すような製品の開発に携わりたいと思っています。」