環境負荷のさらなる低減を目指し、クリーンで省エネルギーな操業を可能にする工場へと変革をします。山梨本社工場では、エネルギー消費とCO2の低減、環境負荷物質の低減に加え、作業環境の中に存在する危険や火災リスク、人体に影響する騒音や臭いなどにも配慮した、誰もが安心して働ける安全な作業環境の構築を目指しています。
ガバナンス
気候変動のリスクや機会については、役員会で議論し、事業戦略に反映されるほか、取締役会へ報告がなされます。これら気候変動を含むサステナビリティ施策は、グループ全体のリスク管理を推進する、経営管理本部が担当しています。
戦略
気候変動の拡大がキトーの事業に及ぼすリスクと機会について検討しました。リスクと機会は、低炭素社会へと「移行」する過程で生じるリスク・機会、自然災害など気候変動がもたらす「物理的」なリスク・機会、が考えられます。これら抽出されたリスクと機会は、それぞれ「2℃シナリオ」(2100年までに、世界の平均気温が産業革命前から2℃前後上昇すると想定)と、「4℃シナリオ」(4℃前後上昇すると想定)に基づき、当社の2030年の事業活動に与える影響を3段階で評価しました。
大:事業活動への影響が大きいと想定
中:事業活動への影響が一部であると想定
小:事業活動への影響が軽微であると想定
リスク・機会の項目 | 影響 | ||||
---|---|---|---|---|---|
2℃ | 4℃ | ||||
リスク | 移行 | 各国の政策・規制強化 | -特定業界(石油・石炭)の事業縮小に伴う、製品需要の減少 -炭素税導入等の政策強化に伴う、税金や資材調達コストの増加 -CO2排出規制の強化に対応した、新規の設備投資や更新コストの増加 |
中 | 小 |
低炭素技術の普及 | -環境配慮型製品の需要増加による、研究・開発コストの増加 | 小 | 小 | ||
顧客・株主の行動変化 | -環境負荷低減活動および情報開示の遅れによる、企業評価の低下やビジネス機会の損失 | 小 | 小 | ||
物理 | 自然災害の激甚化 | -自然災害に起因した生産施設や設備の破損による、新設備購入費用、修繕費用の増加 -自然災害に起因するサプライチェーンの寸断による、生産停止や販売機会の損失 -自然災害への対策コストや保険料の増加 |
小 | 小 | |
平均気温の上昇 | -猛暑日の増加による、熱中症対策費用(空調電力料金等)の増加 -生物の生息地域の変化に起因した感染症リスクの増加による、事業活動の一部中断 |
小 | 小 | ||
機会 | 移行 | 省エネ・低炭素化 | -グリーン成長分野とその関連産業の設備投資増加による、ビジネス機会の拡大 -省エネ活動の推進による、エネルギー調達コストの減少 |
中 | 小 |
顧客・株主の行動変化 | -環境負荷低減活動の拡大による、企業評価の向上やESG投資の呼び込み | 小 | 小 | ||
物理 | 自然災害の激甚化 | -防災減災対策としてのインフラ・ライフライン整備の増加による、ビジネス機会の拡大 -自然災害に起因した建物やインフラの復興に向けた製品需要の増加 |
中 | 中 |
2℃シナリオでは、特定業界(石油・石炭)の事業縮小に伴う当社製品需要の減少、炭素税の導入による税負担と、それに伴う原材料・資材調達コストの増加が予想され、これらへの対応が重要であると考えられます。一方、低炭素化が推進されることで再生可能エネルギーの需要が高まり、関連産業における当社製品需要の拡大が機会となります。 2℃シナリオおよび4℃シナリオに共通する事項として、自然災害の激甚化が予想され、防災減災対策としてのインフラ・ライフライン整備の増加による当社製品需要の拡大が、当社の事業機会となります。 特定したリスクおよび機会への対応については、外部環境の変化も踏まえて定期的に見直すとともに、気候変動関連情報の開示を充実させてまいります。
活用した主なシナリオ
- 移行 リスク・機会の分析
- IEA World Energy Outlook 2020
IEA Energy Technology Perspectives 2020
THE TRANSITION RISK-O-METER
- 物理的 リスク・機会の分析
- IPCC Climate Change 2014 Synthesis Report
Working on a WARMER planet
21世紀末における日本の気候
リスク管理
経済的損失、事業の中断・停止ほか、信用・ブランドイメージの失墜をもたらし、企業理念、経営目標、経営戦略の達成を阻害する様々なリスクに対し、気候変動を含めて網羅的に洗い出しています。また、洗い出したリスクについては、リスク管理に関する基本規定(「リスク管理規定」)に則し管理しています。
指標と目標
温室効果ガス排出削減目標を設定し、取り組みを推進します。
指標 | 基準年 | 目標年 | 目標値 |
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CO2排出量削減 Scope1・2 | FY2019 | FY2026 | 50%削減 |
連結会社も含めたCO2排出量削減目標については、具体的な削減施策を検討するとともに、目標設定を計画しています。 環境関連実績データは、以下よりご確認ください。