2020年09月01日
知られざるチェーンの世界その2 チェーン造りへの挑戦、自動化の英断
チェーンブロックの歴史は古く、キトーが小型・軽量・強靭の三拍子そろった画期的な鋼製チェーンブロックの開発に成功したのは創業から5年後、1937年のことでした。
当時は外製のチェーンを使っていたものの、「チェーンブロックの生命線はチェーンの完成度」と自社で手掛けることになりました。材料の曲げや溶接といった工程も、職人による手作業からスタート。のちに急速な需要の高まりもあり、熟練工に頼る生産体制から機械化による合理的生産体制への大きな転機を迎えます。
1939年、キトーは大きな決断をします。日本で初めてドイツから自動鎖曲げ機と自動鎖溶接機を輸入したのです。チェーン製造の自動化を象徴する「自動鎖曲げ機」は、現在も本社工場に展示され、歴史を今に伝えています。
チェーンの自社生産に乗り出したのは、キトー製品の安全性や耐久性には、チェーンの品質が大きく関係するとの創業者の熱い思いからだったのです。その思いは今日に至るまで受け継がれる、キトーの強いこだわりです。
その3では、戦後さらなる発展を遂げたキトーのチェーンを追いかけます。