「日常の作業に寄り添う存在に」

Apr. 22.2019

「日常の作業に寄り添う存在に」

 

小笠原孝裕(おがさはら たかひろ)さんが所属する、東部クレーンサービス事務所。クレーン工事の現場監督から、製品の定期点検、修理、アフターサービスまで請け負います。ユーザーが製品を長く安全に使えるようにサポートする、いわばキトー品質の最前線です。

 

「クレーンを使うには、法令が定める点検、検査が必要です。つり上げ荷重3t以上のクレーンでは所轄する労働基準監督署による落成検査、検査証の更新時に監督署の認定機関が行う性能検査がありますが、0.5t以上の全てのクレーンで日常点検・定期自主検査(月次・年次)を行う必要があります。多くの場合はお客様ご自身や、知識のあるサービスショップさんが実施しますが、特殊な仕様や複雑な構造の製品になると、私たちがお客様の工場に直接出張して点検やメンテナンスを行います」。

 

 

 

「出張先では、現場のユーザー様とのコミュニケーションが何より大切です。日常どういった作業や用途で、どのような操作をされているのか、しっかりとヒアリングします。クレーン機器の状態も確認し、正しい使い方と、点検でのポイントをお伝えします。正しい使い方と日頃の点検、適切な保全活動こそ、お客様の安全に直結し、製品の寿命を延ばしますから」。

 

 

「様々な現場で色々な人と会えることが仕事の楽しさですね。キトーの製品が思わぬ場面で使われていて、新鮮な驚きがあることも。いつも実感するのは、クレーンやホイスト機器は目立たなくても重要な役割を果たしていること。例えば資材投入、金型の交換など、もしもトラブルが発生すると工場全体の作業が前に進まず、生産活動に大きな影響を与えてしまいます。緊急時に駆けつける地域のサービスショップの技術者に、キトー製品の正確な知識を伝えることが欠かせません。座学と実技の認定試験を受講いただく制度があり、実演を交えて製品について説明をします。重要部品の磨耗や異音、錆び、傷など、点検時に注意すべきポイントや、トラブルの実例とその対処なども共有します」。

 

 

 

「社内外の関係者は皆さんその道の専門家です。これまで共に仕事をしてきて、自分の視野が広がりました。他社の製品も含めて幅広くクレーンを扱うサービスショップさんならではの知見、設計者の着眼点やものづくりにかける思い、品質保証部門の製造責任に対する考え方。経験を積み、それぞれの立場が理解できるだけに、難しいなと思うこともありますが、そんなときはサービスマンとしての基本に立ち返ります。それはお客様の気持ちに寄り添い、できる限り負担を少なくすること。エキスパートたちと力を合わせ、お客様が日々の作業を安全に、滞りなく行えるよう力を尽くします」。